最近、体調はどうですか？咳が出たり熱があったりすることはないけれど、何となく体調が良くない…それは 自律神経 の不調かもしれません。マインドフルネスが自律神経のケアに役立つ点についてご紹介します。
よく聞くけれどいまいち知らない、自律神経が働かないとどうなる？
自律神経は、私達が自覚的に操作することができない神経のことです。自律神経の主な機能は、心拍数や血圧、体温、消化・吸収などの生体機能の調節を行うことです。
自律神経には、主に活動状態の時に活性化する交感神経と休息状態の時に活性化する副交感神経の2つの枝があり、そのバランスは私たちの体調と健康に直接影響を与えます。生活習慣の乱れやストレスなどが原因で自律神経が乱れ、心身に不快な症状が出る状態になることがあります。
自律神経の不調であらわれることがある症状
- めまい
- 頭痛
- 不眠症
- 疲労感
- 胃腸の不調
これらを引き起こす原因の内臓や精神の病気などが特にみられない場合、自律神経失調症と診断が出る場合があります。うつ病や不安障害など、ストレスを主な原因とする病気の症状を総称する意味でも使われ、メンタルに不調が出ている状態であることを指すため、早めに適切な対処が必要です。自律神経失調症の主な原因は、ホルモンバランスの乱れ、ストレスの多さ、性格、生活習慣の乱れなどが挙げられます。また、遺伝的な要素も関与していると言われています。
メンタル不調時の相談窓口についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
通常、自律神経を構成する二つの神経によって「活動したいときに身体を活動できる状態にするスイッチ」と「休みたいときに身体をリラックス状態に導くスイッチ」の切り替えをおこなっています。こちらがうまく機能しない状態になってしまうと「眠りたいのに目が冴えて眠れない」や「仕事をしたいのにぼーっとして手につかない」というように正しい切り替えが出来なくなるというわけです。情緒を司る脳の部分とも近い場所にある神経のため、心の状態とも密接に関わっています。
自分で気軽にできるマインドフルネスで、自律神経をセルフケアしよう
自律神経失調症の治療には、薬物療法、生活習慣や環境の整備、精神療法などが一般的に行われますが、セルフケアとしてマインドフルネスが有効です。
自律神経失調症は、過労やストレスにより自律神経が切り替えられない状況です。しっかりとリラックスした状態を作り出して脳を休ませる必要があります。マインドフルネスは現在の瞬間に意識を向けるため呼吸に集中するなどの実践方法があり心身のリラックスやストレスの軽減が期待できるとされています。そのため、自律神経失調症の改善にも効果が見込めます。
マインドフルネスは、仏教の教えを基にした認知行動療法の一つであり「現在の瞬間に注意を向け、非判断的な態度で受け入れること」を一般的な定義とします。
マインドフルネスは、ストレスや日常の煩わしさによって乱れた心を落ち着かせ、現在の瞬間に意識を向けます。自分の感情や思考に対して非判断的な観察を行い、受け入れることで、心のリラックスやストレスの軽減を促します。認知行動心理学との相関性が高いためうつ病などを改善する心理療法としても広く用いられています。
様々な実践方法がありますが、最も簡単な方法としては呼吸に意識を向けることから始めることができます。深くゆっくりとした呼吸をすることで、心身のリラックスを促します。その時、自分の呼吸に集中することで心と体のバランスを整えることができます。
さらに、日常生活の中でもマインドフルネスを意識して行動することができます。食事をする際には、食べ物の味や食感を感じることに集中し、一つひとつの噛みごたえを楽しむことが大切です。また、歩くときには、足の着地や歩幅に意識を向けることで、地に足をつけた感覚を味わうことができます。マインドフルネスのトレーニングは、初めは集中力が散漫になってしまう場合もありますが、継続して実践することで徐々に効果を実感することができます。自律神経を整えるためにマインドフルネスを取り入れてみてください。研究結果によれば、マインドフルネスを行うことで、心拍数や血圧の安定化、ストレスホルモンの減少などの効果が得られることが示されています。
こちらの記事で、毎朝のマインドフルネスの実践を紹介しています！
成功のカギは「いかに休むか」にあり
最近はスポーツの世界でも「とにかく練習！」から「練習で溜まった疲労をどのように取り除くか」「試合に臨む前のプレッシャーやストレスをどのように軽減するか」など、体や心の休め方に注目されています。マインドフルネスで自律神経の働きを整え、心身ともにしっかりと休息することが、大きな飛躍への大切なステップと言えるでしょう。お仕事がとても好き、やりがいがあってまだまだ頑張りたい、という方こそ、休息の仕方に目を向けてみてくださいね。
